最新記事

2013年10月10日

聖地終焉と新時代。なぜバックパッカーはカオサンを避けるようになったのか。バンコクの今。




駄文なので誤字脱字ご愛嬌ということで。
あと、意見には個人差があります。ということで。


最近、バックパッカーの聖地とまで言われたカオサンロードはつまらない。
と、もっぱら私の周りの古参バックパッカーの間では広まっている。

そもそも、何をもって聖地なのか分からないが。

ここは、さながら旅行者のためのきらびやかなバックパッカーズ・テーマパークストリートのようだ。
僕が初めてカオサンの地を踏んだのはもう10年以上前になるが、空気が変わったようだ。
スマホにノートPC、デジタル一眼レフ...etc ガジェットハイテク機器で武装してバックパックを背負った大学生くらいの若者で溢れかえり、おしゃれなオープンカフェではMacBookを開いてビアシン(*)を飲みながら華麗にフェイスブック。今のバックパッカーは、昔でいうところのフラッシュパッカーである。

*タイ通かどうか見分けるキーワードの1つは「シンハー」。タイではシンハービールと呼ばない。

いわゆる懐古厨という立ち位置になってしまったのかもしれない。



ありとあらゆるものが溢れ、大して安くもない(他場所で買えばもっと安い)露店で胃袋を満たしたりショッピングをしたり、爆音のEDMが通りに響き渡り、信じられないくらいのスピードで、カオサンがカオサンじゃなくなった。あの数百メートルしかないカオサン通りを抜けて、隣の通りへ入ってもすごく賑やかでオシャレなお店がたくさんある。名物のパロディTシャツ屋は今尚存在するが、最近は真面目にデザインを追求したTシャツ屋もある。ビールケースをひっくり返したようなテーブルの上で、ビールを飲みながらバミーを食べてる「良い意味で小汚い」光景はもう殆ど残っていない。魔界のようなゲストハウスだったトラベラーズロッジもゴタゴタで消えてなくなった。

*EDM:エレクトロ・ダンス・ミュージックの略。音楽世界トレンド。要するに通り全体に最新のクラブミュージックが大音量で響き渡っている。こんなのカオサンじゃない笑。


私が大学生になって最初に一人旅をしたところはタイだった。買い物ができるショッピングセンターといえばMBKくらいしかなかった時代である。カオサン通りは、その当時も他の場所とは違う排他的な異彩を放っていていた。カオサンには何度も訪れたことはあるが、面白かったのは初めの頃だけで、実際は、長く居るうちに自分の性に合わない場所だなあと気がついてはいた。それでも昔は旅の情報収集/手配をするには便利な場所だったことと、ロッジに沈没していた変人達とワイワイガヤガヤと飲むことが楽しかったので泊まっていた。今は東南アジア程度ならネットで調べれば幾らでも直近の旅情報は出てくるし手配もできる。結局、バックパッカーにとって今も残るメリットは「出会いスポット」だけだと思う。小規模グループが束になって群がっている合コン通り。


振り返ると、バンコクの近代化は、この10年間は特に凄かった。今でも道路は相変わらずの渋滞だけど、BTSが完成して都市交通が劇的に改善された。近代的なビルはもちろん、巨大ショッピングモールもボンボンできた。BTS沿線から少し離れたところにもアジアティークなんとかという御殿場アウトレット的な巨大ショッピングテーマパークもあったりする。高級ホテルも建設ラッシュだ。路地の衛生面もかなり向上したと感じるし、なんといっても野犬が減った笑。そういう時代の流れに乗って、カオサン通りもこの10年間は加速度的にテーマパーク化した。


旅行者の構成も大分変わったと思う。
最近は、韓国、中国人バックパッカーはもちろんフィリピンやマレーシアといった10年前は発展途上であった国々の若者たちもバックパック担いでカオサンを目指す。ファラン(白人)は、東欧の人たちも旅行するようになり更に多くなった。そして、黒人のバックパッカーも急速に増加した。黒人バックパッカーなんてアメリカ人を含めても10年前は殆ど見かけなかったのに。 その結果、相対的に日本人は目に見えて減った。
そういう意味では、カオサンは世界の富の流れを感じることができる場所だと思う。
あと、今はタイ人の大学生にもデートコースになってたりする。
こんなに国際色豊かなアジアのスポットはおそらくココだけだろう。



カオサン通り。様変わりした街はもう昔の顔を見せないのか?(会員制になり全文読めなくなりました)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130419T0451080900.html

このブログの筆者とほぼ同感である。私はカオサンを旅行者のテーマパークと表現しているが、この筆者は、

観光客を引き寄せる観光ストリートのように変貌した。


と語っている。

ここで、一冊の本を紹介する。





といっても、紹介するのは本の中身ではない。
アマゾン文庫で興味深いレビューを見つけたのだ。

この記事を書こうと思ったきっかけになったコメントを2つほど紹介する。
みんな、本のレビューと思いきや、レビュー欄でバンコクという街を冷静に分析してるのが面白い。



ちなみに、下川裕治とは、アジア旅行向け書籍ライターで有名な人である。
したがって、この手の本にコメントを残す人たちは、昔アジアに魅せられてハマった方々であることは間違いない。

期待はずれだったのは時代のせいかも, 2013/4/19
By  SYAM
下川氏が10年ぶりにバンコクについて書いた本ということで、期待していました。
しかし、以前読み漁った同氏の本から滲み出ていた街への郷愁や、行きたいと渇望する欲求は、この本からは湧いてきませんでした。街を見つめる視線や、書きぶりが変わってしまったわけではありません。むしろ下川節に安心感があったくらいでした。ただ、あの街独特の退廃した空気や、いかがわしい雰囲気を、もう新鮮な切り口で抉り取れないほど、バンコクという街も「今風」になってしまったのでしょう。文字を追ってうなずく部分があっても、現地に行って追体験したいと感じる魅力はありませんでした。週末にバンコクまで出かけて脱力するという「贅沢」が「一般の良い歳の大人」に許されたのは00年代前半くらいまでだった気がします。
私自身も2001年に安宿に泊まり、深夜の長距離バスに揺られてマレー半島を縦断したのが最後でした。
経済的な優位性を持っていたあの頃から比べてみれば、週末にバンコクに出かけ、そこで時間を過ごすにはそれなりの出費を覚悟しないといけません。家庭を持ち、ローンを抱え、会社のリストラに耐え、縮小均衡に不安を感じる私のような人間こそ、バンコクで脱力したいという欲求に駆られるはずなのですが、そこまでして行きたい、という魅力が失せてきているのも事実だと思います。
行きさえすれば何とかなる、底抜けに明るい空気に癒される、小悪党相手に騙し騙されの駆け引きが楽しめる、そんなかつてのバンコクからかけ離れ、ドライな都会に変貌しているのではないかと行間から感じました。時とともに、街や人も変わります。古き良き時代と感じたバンコクの幻影を、この書に求めるのは酷かも知れませんね。


近代化しすぎたバンコクの功罪, 2013/7/17
By Jeffrey
「バンコク迷走」以来のバンコクを題材に取り上げた作品です。
他の方のレビューにもあるように、バンコクそのものを
テーマにすること自体、ややネタ切れの感は否めません。
正直、読者としても限界を感じます。
かつては、バンコクというだけで、混沌としたアジアをイメージ
させましたが、いまや世界的な国際都市で、近代化も進み
昔日のバンコクのようなどこか得体の知れない、でも旅人を
惹きつけてやまない魅力はすでに影を潜めてしまったのでしょう。
著者のタイに関連する作品はかつては読んでいてワクワクするほどの
臨場感と題材に事欠きませんでしたが、もはやバンコクには、
週末を利用してまで強行軍で行く魅力はまったく感じませんでした。
これは著者自身もペンを進めながら十分すぎるほど感じていたのではないかと思います。


SYAMさんのレビューは、まさにバンコクのこの10年間を短文でわかりやすく表している。
このレビューは、2013年7月28日現時点では30人中29人が「参考になった」と評価している。


Jeffreyさんのコメントは、今のカオサンもそっくりそのまま同じであると思う。
得体の知れないという感覚は確かに今は無い。

それでも、今のカオサンもカオスだ。
しかし、自然発生でアナログ的なカオスではなく、いわばステージの土台から作られたデジタル的なカオスに様変わりしている。カオサンは、バックパッカーというスタイルの"ファッション"を具現化するような場所でもある(あった?)。まあ、昔も今もなんちゃってヒッピーだらけなのは否定しないけど、それが今はタイ人の若者も訪れる観光スポット化してることは新時代といえよう。
そういう意味では、今も、そしてあの当時も体感できたことは財産である。

うまく表現できないんだけど、世界中から若者カルチャーが押し寄せてくるカオサン通りは、前向きに書くならば、常に新しいファッションを吸収して進化し続けている通りである。それが昔を知っている者から見ると、そこは居心地が悪くなったと肌から感じさせる。だからといって、今、カオサンで「デジタル一眼レフぶら下げiPhoneを握りしめてビール飲みながらわーわー騒いでる」人たちを否定するつもりはことさら無い。それが世界共通のライフスタイルになっているのだろうから、そうなるのも当然であるのだろう。僕もガジェット武装して旅ブログをやってる人間だから十分わかる。しかし、結果的に、 いわゆるデジタルネイティブ世代が古参どもを離れた辺境地へ追いやっている側面もあるのは確かだろう。
でもね、それだけがクリティカルな要因ではない。

バックパッカーという視点を捨てると、バンコクは今も凄く魅力的なところだ。建設ラッシュからは経済の勢いを感じる。前向きな推進力は東南アジアでも有数の場所。旅行者に限らず、どんな層にも楽しめる娯楽は本当に溢れてる。毎日のように変わっていく視界。将来、日本を超えるポテンシャルを秘めているアジアの国はタイだと思っている。だから、”あの頃”とは違う世界なのを自覚しなくてはならない。そう、大人の階段を着々と登っている国。旅行者の一方的な”エゴ”に付き合うような暇は無い。時代は進む、前にね。

数年後、このコンクリートむき出しの跡地にサイアム・センターやパラゴンができるとは…


カオサンRdの入口 '04

やはり、空気感が変わった。時代は変わった。

カオサンにはもう泊まらないと思うが、
それでも、さらに10年後、どんな通りになっているのか考えると興味はある。


あの時いた彼らは、果たしてどこへ消えたのだろうか。そして今の若者はどこへ行くのだろうか。
桃源郷を求めて、次はどこへ行こうか。

それも時代の流れ。
けだし、10年前、20年前、そして現代未来も、
新品のバックパックを背負った人たちの合言葉「とりあえず、カオサン」は変わらないのだろう。
そして、おそらく10年後、
今旅行者テーマパーク化したカオサンで騒いでる連中は言うのであろう
今のカオサンはつまらない、と。

どんな時代であれ、カオサンという言わば迷信されている”胡散臭い聖地”から卒業してからが
真の意味でのバックパッカーという旅スタイルのスタートなのかもしれない。

私が知っていたその聖地は跡形を薄っすら残しつつも、発展とともにほとんど消えて無くなっていた。


そこで問いです。 今のカオサンをあなたはどう感じる??
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

Android スマートフォン関連

ピックアップ

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...